
デフォーマというとピンと来ないかもしれませんが、要は、「マグネット」、「ウェーブ」のことです。
どちらも癖のある、わかりにくい機能であると思います。少なくとも私はそう思っていました。
しかし、実はかなり潜在能力は高く、使いこなせればモデラーで作ったオブジェクトとは一味違ったものを作り出せます。
しかし、残念ながら、日本語のわかりやすい解説がありませんでした。
なので、ここではマニュアルに書かれていない機能も含めてデフォーマについて触れてみたいと思います。
※ここではPoser4.0.3 Jを元に書きます。Poser5でも可能ですが、Parameters/Properties Palette上で、'Properties'タブをクリックしてボタンなどを表示させてください。
※Poser5の'Windforce'はDynamicCloth、DynamicHairとの連携が基本ですので、ちょっと趣が異なります。なので、ここでは触れないこととします。
基礎の基礎
より高度な機能
コツ
マニュアルのP145ページ(Poser5はP192ページ)を見てください。
......では説明になりませんので補足を。
マニュアルに書かれてはいるものの解りにくい機能があります。それを使うことで、デフォーマはかなり細かい制御が可能です。その方法を書きます。
・複数のエレメントへのデフォーマの適用
通常、一つのデフォーマで一つのエレメント(フィギュアの1関節や一つの小道具)にのみデフォーミングをかけられますが、以下の方法で一つのデフォーマでゾーン内の複数のエレメントにデフォーミングをかけられるように出来ます。
※ここではマグネットを使いますがウェーブでも同様です。
(1)メニューで[オブジェクト]、[マグネット作成]を選択、マグネットを作成。
(2)必要に応じてゾーンなどを調整。
(3)マグネットをダブルクリック、もしくはマグネットが選択された状態で、メニューから[オブジェクト]、[特性]を選択。

(4)以下のようなダイアログが表示されるので'エレメントにデフォーマを追加'というボタンをクリック。

(5)デフォーミングをかけたいエレメントを選択(ここでは'胸'を選択)。'OK'をクリック。

(6)さらに追加したいときには(4)へ戻って繰り返す。'OK'をクリックして終了。
(7)マグネットを移動、拡大縮小、回転させ、目標となる形へ変化させる。

胸と腹の繋ぎ目がなだらかなのに注目。これは一つのマグネットでデフォーミングさせているため。
・特定の部分のみにデフォーマを適用
通常、ゾーン内のエレメントの全ポリゴンにデフォーミングがかかりますが、以下の方法で、あたかもモデラーのように、特定の部分のみにデフォーミングをかけさせることが出来ます。
※ここではマグネットを使いますがウェーブでも同様です。
(1)デフォーミングをかけたいエレメントを選択。(ここでは'頭'を選択)
(2)'グルーピング'を選択、グル−ピングツールを起動。

(3)任意のグループ名をつけ、デフォーミングをかけたいポリゴンを選択。(ここでは'Test'というグループ名を使用。)

(4)グルーピングツールを終了、メニューで[オブジェクト]、[マグネット作成]を選択、マグネットを作成。
(5)マグネットゾーンをダブルクリック、もしくはマグネットゾーンが選択された状態で、メニューから[オブジェクト]、[特性]を選択。

(6)以下のようなダイアログが表示されるので'グループ'にチェック、横のメニューをプルダウン、先ほど作成したグループにチェックマークをつける。※複数指定も可能。

(7)マグネットを移動、拡大縮小、回転させ、目標となる形へ変化させる。

出来損ないのウルトラマン?しかし、モデラーのような使い方が出来るのは解ることと思います。
しかも、「複数のエレメントへのデフォーマの適用」と組み合わせることが出来る(複数のエレメントに対し、同じグループ名をつければよい。)ので、かなり応用範囲が広い。
※ただし、きちんと保存されないBugがあるようです。
・デフォーミングのかかり方の変更
通常、デフォーミングはゾーンの中央ほど強く、外側ほど弱い。しかし、この変化の仕方も以下の方法で変更できます。
※ここではマグネットを使いますがウェーブでも同様です。
(1)デフォーミングをかけたいエレメントにマグネットを作成。
(2)マグネットゾーンをダブルクリック、もしくはマグネットゾーンが選択された状態で、メニューから[オブジェクト]、[特性]を選択。

(3)以下のようなダイアログが表示されるので'ゾーン調整'をクリック。

(4)グラフを調整。ラインをドラッグして上下に動かすとそこを通過点としたベジュ曲線が作成される。左が中央、右が外側、上にいくほどデフォーミングが強くなり、下に行くほど弱くなる。

(5)クローズして終了。

前項の(7)と同一の設定ですが、ゾーンを調整しただけでかなり変化します。
欠点はリセットできないこと。そのときは一度デフォーマを削除して再び追加した方が良い。
基礎篇の最後に私なりのコツをいくつか挙げておきます。
・ゾーンを極めし者はデフォーマを制す
はっきり言ってゾーンを如何するかが、巧くいくかどうかを握っております。
ここでつまずくと何をやっても巧くいきません。
また、ゾーンのグラフ(「デフォーミングのかかり方の変更」を参照)はなるべくいじらない方が巧くいくようです。あくまで、最後の手段ということで。
あくまで基本の、「中央ほど強くかかる」ことを意識してゾーンを設定することを強く勧めます。
・何をしたいのかをはっきりさせる
漠然とデフォーマをいじっていても中々巧くいきません。一つ一つのデフォーマに何をやらせるのかをはっきりさせた方が、巧くいきやすいようです。
まず、一つのデフォーマで可能な限りのことをやって、微調整に二つ目、三つ目と追加していく方が効率的なようです。
・虚像と実像
PoserではデフォーマやMTでのデフォーミングと軸回転、屈伸など関節が曲がることによるデフォーミングとで根本的に扱いが異なるようです。
つまり、
○デフォーマやMTのデフォーミング=虚像
○関節の変化によるデフォーミング=実像
ということのようです。

これはマグネットで鼻を伸ばしたフィギュアを別のマグネットで曲げようとしているのですが、左は失敗しています。
画面上ではこのゾーン設定で問題なさそうですが、デフォーマでのデフォーミングは虚像です。ですから、実際にはそこにポリゴンは存在しないのです。
右はこのことを意識したゾーン設定です。つまり、実際にポリゴンがある場所=デフォーミングされていない元の状態の鼻の位置にゾーンが来るように設定した結果、鼻は曲がっております。
この現象はMTにも発生します。Poser内の処理の一端が見受けられる非常に興味深い現象です。
・発想の転換を
ウェーブデフォーマは波を作るものですが、設定如何では布の皺から山脈まで様々なものが作成できます。
マグネットでねじればポリゴンは破れます。しかし場合によっては面白い効果が得られることもあります。
Poser自体、型破りなソフトなので、ここは通常のモデリングでは非常識とされていることを合えてやってみることも必要かと思います。