脱衣への道

Poserフィギュアは元々ヌードなので、最初から「脱衣した状態」です。
ですが、ここで言う「脱衣」とは完全に脱げた状態ではなく、脱げかけの状態を指しています。@akaさんの言うところの「半脱ぎ」のことです。

私がPoserを始めたばかりの頃は、Poserでの性的表現はほとんどが完全なヌードか、際どいビキニや下着を着た状態のものばかりでした。
最近では多少、脱ぐことを意識した衣装も出てきましたが、それほど広まりを見せているとは思えません。
これには、国ごと、民族ごとのエロスへの考え方の違いがあるものと思います。
見えそうで見えない所にエロスを感じる「チラリズム」は日本人独特のようです。
なので、脱衣できる衣装の価値がわかるのはおそらく日本人だけでしょう。
衣装クリエーターは決して多くは無いので、あらゆるタイプの衣装を脱衣できるようにしてもらうのは無理です。
従って、自力でやるしかないのです。

ここでは私が様々な方法で行ってきた「脱衣への挑戦」の結果、わかった方法を記しておきます。
一つ断わりを書いておきますと、私にとって「脱衣への道」は道半ばです。この方法が最良であるか私自身よくわかりません。
むしろ、この方法を多くの方に見てもらい、助言、感想などを頂いてより高度なものへ進化させていきたいと思っております。
気が向いたらで結構です。メールなどを頂ければ幸いです。

脱衣への道

アプローチ
パンチラ
T−シャツ、パンティーの脱衣
Y−シャツ、ジーンズの脱衣
モデリング

アプローチ

では、どうやってするか。
結論から言うと、デフォーマ(特にマグネット)を使って、それっぽく見せるのです。
デフォーマに関する考察(基礎篇)を書いたのはこの解説の為に他なりません。
デフォーマについてよくわからない方は、マニュアルと共にこちらも一読してから読み進んでください。
ここから先は、デフォーマについてある程度理解している前提で話をすすめていきます。

パンチラ

パンチラ、それは男のロマン。パンチラ、それはいつも儚い。

ということで、まずはパンチラです。
一見簡単そうだが、中々うまくいか無いのがこれです。
最近出始めているEnhanced Remote Control(いわゆるERC)制御のスカートは比較的簡単なのですが、旧タイプ、標準の衣装では簡単にはいかないでしょう。
しかし、以下の方法で比較的簡単に行うことが出来ます。

(1)フィギュアにスカートを履かせる。ポーズも取らせておく。
datsui1.jpg
(2)衣装フィギュアの'腰'にマグネットを作成。
(3)下のようにマグネットゾーン、マグネットベースを設定。
スカートの裾はかなり動く一方、腰に近い部分はそれほど動かなくてよいので、それを考慮する。可動部の元にベースを置いた方がわかりやすいのでそうする。
datsui2.jpg datsui21.jpg
(4)マグネットを選択した状態でメニューから[オブジェクト]、[特性]を選択。
(5)'エレメントにデフォーマを追加'ボタンをクリックして、衣装フィギュアの右大腿部、左大腿部に追加させる。詳しくはここを参照
(6)マグネットを下のように設定。回転させるだけでなく、Y軸を縮小、X軸を拡大する。この辺は好みで調整する。
datsui3.jpg

場合によってはウェーブデフォーマも追加した方が良いかも知れません。
ロングとミニ、布の材質などで、はだけ方は異なるので、あらかじめリサーチしておいた方が良いと思います。

T−シャツ、パンティーの脱衣

いわゆる、ボタン、ホック、ファスナーなどが無い衣装のことです。
こちらは比較的簡単です。基本的にはパンチラの応用です。

下図のように、裾の部分にゾーンの中央が来るようにします。
datsui4.jpg
パンティーは(多くの場合)腰のみですので、そのままで結構です。
T−シャツは腹部と胸部にまたがって脱がす場合が多いので、'エレメントにデフォーマを追加'ボタンをクリックして、衣装フィギュアの胸部を追加させて下さい。詳しくはここを参照して下さい。

datsui5.jpg
かなり、ゾーンの調整は難しいです。思い通りになるまで繰り返してください。
コツとして、

・横幅は衣装より若干広めにする。
・必ずしもど真ん中にする必要は無い。どう引っ張られるかを意識する。
・引っ張られる反対側(上の作例では背中側)をどうするかも考慮する。
両手で引き上げれば背中の部分も引きあがるが、片手でちょっと上げるだけなら背中はそのまま。
・引き上げるにしても、単に引き上げるだけでなく、縮小、拡大、ねじれなどを入れた方が良い場合が多い。

ただ引っ張るだけでは面白みに欠けるので、ウェーブデフォーマで皺をつけたほうが良いと思います。
datsui6.jpg
これは失敗。パンティーに変な皺を入れないほうが良かった。
あらかじめ写真集などで脱げ方をリサーチをしておく必要があります。

Y−シャツ、ジーンズの脱衣

いわゆる、ボタンやチャック、ホックなどがある衣装のことです。
これが一番の難関です。なぜなら、多くの場合、脱衣することなんぞ想定せず、形だけボタンやチャックがあって、裾は一体になっているからです。一体になっていますから、左右にはだけさせるのは不可能です。
かといって、モデラーでポリゴンを切断して...などというのも現実的ではありません。衣装を1から作るのと同じぐらい手間と時間がかかります。

ではどうするかというと、「それっぽく見せる」手を使います。
具体的には、グルーピングを使って表示させない部分を作り出し、そこから左右にはだけさせることで、脱げたように見せるのです。
以下にその手順を書きます。
今回は話を単純化するために、ブラジャーを使います。作例ではかの有名なモデラー、BATさんBAT Lingerieを使わせてもらいます。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。

(1)衣装を読み込む。
(2)グルーピングを起動。
(3)グループを作り、下図のように縦に一列選択する。
button1.jpg
ここはかなり入念に。 (4)'新規マテリアルとして作成'ボタンをクリック、任意の名称をつける。
ここでは、't'という名前にする。
button2.jpg
(5)新しいグループを作る。(ここでは'r'とする)そして下図の様に選択する。
この際、(4)で作ったグループ('t')と重ならないよう、'グループから削除'を使う。
button3.jpg
(6)(5)同様に、'l'というグループを作り、下図のように選択する。
button4.jpg
(7)グルーピングを終了、マグネットを追加する。
(8)マグネットゾーン、マグネットベースを下図の様に設定。コツは't'を中心に'r'で選択した領域をカバーするようにする。
button5.jpg (9)ゾーンを選択、メニューから[オブジェクト]、[特性]を選択。グループにチェックを入れ、プルダウンメニューから'r'を選択。詳しくはこちら。
(10)再びマグネット追加。(8)、(9)同様行い、ゾーンで今度は'l'を選択。
(11)二つのマグネットをY軸回転させる。
button6.jpg
(12)メニューから[レンダリング]、[表面処理]を選択。衣装を洗濯、マテリアルの中から、先ほど追加した't'というマテリアルを選択、下図の様に透明にする。
button7.jpg
(13)そしてレンダリングすると......
button8.jpg
解りやすくするためにフィギュアを追加しましたが、どうですか。
ポーズやマグネットを調整すれば、もっとセクシーになるでしょう。

やっていることの概念を書きますと、

't'というマテリアルを設定、透明にすることで擬似的にメッシュが切断された状態を作る。
そして、その部分を中心に左右に観音開きにすることで脱衣した状態に見せている。


観音開きにしやすいように'r'、'l'というグループを設定したわけです。
ちなみに、Y−シャツのように複数の関節に開かせたい部分がわたっている場合も同様で、おのおのの関節に't'、'r'、'l'を設定することで行えます。同じ名前を付けることで簡単に出来ます。マグネットは複数エレメントへ適用できるようにしてください。
button9.jpg

しかし、この方法には欠点があります。

○グルーピングできちんと選択しないと変なメッシュが残る。
作例の右肩の下に変に間延びした部分があったと思います。
これはグルーピングで選択し忘れたメッシュがあったためです。その為、グルーピングは注意深く行う必要があります。裏側のメッシュの選択忘れ、反対側の不要なメッシュ選択などはよくあることです。
特に透明にするグループ('t')は注意深く選択してください。というのは、不要なメッシュを選択、それに気づかずマテリアル化した場合、それを元に戻す方法はありません。その場合は一つ新しいグループを作りマテリアル化、そのマテリアルに普通の(透明ではない)設定をしてやるしかありません。しかし副作用で、PZ3ファイルが肥大化します。PZ3ファイルの肥大化はPoserの挙動異常の原因になりますので、極力避けたいことです。
とにかく注意深く。't'の部分のマテリアル化は最後に回しても良いかもしれません。

○マグネットのBug
'複数のエレメントへのデフォーマの適用''グループへのデフォーマの適用'は組み合わせることが出来ます。が、Bugがありまして、保存できません。
具体的には、保存して再読み込みすると、グループへの適用がされて無い状態になります。
回避法はありません。読み込むごとに設定しなおすしかありません。
ただ、汎用的なはだけ方にする場合、MTにしてしまう方法もあります。
左右で別々のMTにすれば左右ではだけ方を調整できるようになります。
この場合、一方を閉じた状態にしなければなりませんが、マグネットを適用するとそのエレメントに'マグネット1'とかいったチャンネルが追加されます。それを'0'にすると一時的にマグネットが適用されない状態が出来ます。
右側用のマグネットを'0'にして左側用のMTを作る。そして、右側用マグネットを'1'に戻し、左側用マグネットを'0'に、右側用MTを作成、といった手順で左右別々に開く衣装が簡単に作成できます。

モデリング

結局のところ、Y−シャツなどはそれっぽく見せられるだけで、完全に脱衣できたわけではありません。
ボタンホールが無いなど突っ込みどころはいくらでもあります。
なので最後の手段はこれです、自らの手で脱衣できる衣装を作るんです。

具体的な作成方法は偉大なるモデラーISOさんBATさんが素晴らしいチュートリアルを用意されていますので、そちらをご覧下さい。

ここでは特に脱衣できる衣装を作るための私なりの意見を。

○'r'、'l'に当たる部分をあらかじめマテリアル化、グルーピングで選択しやすくした方が良い
メッシュの選択はモデラーの方が柔軟でやりやすいです。モデラー上でとことんまでやっておき、Poser上では'マテリアルを含める'で一撃で選択されるようにした方が良い様です。もっとも、カーディガンを作ったときにはやってなかったですが.....

○UVマッピングを意識したモデリングを
UVマッピングが最大の問題です。というのは襟などを重ねた状態にすると、マッピングも重なった状態にしか出来ません。
多くの場合、Cyrindricalを使うと思うのですが、その場合重なった部分がどうしようもなくなります。
私の場合、下図の様にちょっと開いた状態でモデリング、MTで閉じさせるようにしています。これだと、Cyrindricalでも巧くいきます。切れ目が端になるようにすれば良いのではと思います。
model1.jpg
ただ、まだ私自身モデリングは巧いとは言えず、もっと研究の余地はあるのかと思います。

以上、長々と書いてきましたがいかがだったでしょうか。

かつて Digital Love DollにPicBBSがあった頃から、私なりに拘りを持って挑戦し続けた結果です。
冒頭でも書きましたが、この方法が完全だとは思っておりません。
よりよい方法が発見されたときには、このTipsを加筆していきたいと思っております。

ここで取り上げた例はTips用にかなり単純化してあります。
実際には複数のマグネットを使い、目標としている形を目指すこととなると思います。
決して一発で目標の形にはなりません。それでもめげないで下さい。
あと、脱げ方のリサーチは綿密にやっておきましょう。エッチな写真集を見て、「こういう感じに脱げてるのか」と冷静に分析できるようになれば先も見えてくるでしょう。
男性と女性とでY−シャツとかの開きが異なります。ファッション・ショッピングサイトで調べておきましょう。
(かつて、女性用のY−シャツを左前に作ってしまい、やり直したことがあります。女性は右側が前に来ます。)

この文章が貴方の作品作りの一助となれば幸いです。